<!牛乳の料理のポイント>
1.牛乳に含まれる蛋白質の大部分はカゼインで、カゼンイは酸や塩基により凝固し、この現象は
製品の出来上がりを悪くする原因となることがある。例えば、トマトは有機酸含量の少ない完熟
のものを選ぶかあらかじめ下茹でして有機酸や塩基を少なくしたものを使用する。
また、野菜や果実、貝や塩蔵した肉類を入れて加熱すると、それぞれに含まれる有機酸や塩蔵の
影響を受けて牛乳の蛋白質がもろもろと凝固し、口当たりが悪くなることがある。
2.牛乳を75℃以上長く加熱すると特有の不快な加熱臭を発生する。これは乳清蛋白質から発生す
る硫化水素のにおいで加熱温度に注意すれば防ぐことができる。
3.吹きこぼれに注意する。
加熱により温度が上昇すると、表面張力が低下し泡立ちやすくなる。牛乳中にある空気や水が気
化して泡を生じ、その周りに蛋白質が取り囲み膜となるため、多数の消えにくい泡ができ、吹き
こぼれがおこる。これを防ぐためには加熱温度に注意し、撹拌しながら過熱する。
|